Peaceful, Easy Feeling
2002年5月5日(入場無料)
会場:茅ヶ崎ヘッドランド・ビーチ











photo by Imamura


●センチメンタル・シティ・ロマンス with 近藤名奈

01.So You Want To Be A Rock'n Roll Star(バーズ)
 ※もちろんツーサは12弦
02. 夏の日の想い出(センチ)
03. TO THE SEASIDE(センチ)
04. LOVE HAS NO PRIDE(ボニー・レイット)
05. Is This Love(ボブ・マーリー)
06. Mercedes Benz(ジャニス・ジョップリン)
07. Strong Enough(シェリル・クロウ)
08. マンボ・ジャンボ(センチ)
09. 箱庭の街で(中野督夫)

  告井延隆(Vo,G,Per,胡弓)
  中野督夫(Vo,G)
  細井豊 (Vo,Key,Acd,Hrm)
  本多正典(Per)
  近藤名奈(Vo M4-M7)
  松浦善博(G M8 Only)
  ペッカー(Per M8 Only)

●小坂忠&センチメンタル・シティ・ロマンス

01. ありがとう(小坂忠)
02. はずかしそうに(小坂忠)
03. People get ready(カーティス・メイフィールド)

  小坂忠 (Vo,G)
  告井延隆(G)
  中野督夫(G)
  細井豊 (Key)
  本多正典(Per)

set list by 横浜のくろ

5月5日……。
GWだというのに、この日の気温は”夏”そのものだった。
昨日までの天気の心配はどこへやら…。
会場である茅ケ崎ヘッドランド・ビーチ周辺では、地元の人たちの犬の散歩やジョギングはもちろん、海ではサーファーやら、泳いでる人もいて、とても大賑わい。
そんな中、ライブは行われた。
毎年、ここ数年間、5月5日は「音楽の日」(Music Day)と題し、全国各地でその前後にコンサートイベントが開催されている。 関西では”春一番コンサート”の日程と重なるだけに残念なことだが、仕方あるまい。

「Peaceful Easy Feeling」。
今回のこのイベントの出演メンバーだが、南佳孝 with クアトロロコス、ブレッド&バター with SHONAN STYLE BAND、Breath By Breath、keison&caravan with 斎藤誠、Tequila Circuit、そしてセンチメンタル・シティ・ロマンス(以下センチ)with 近藤名奈。そして、ゲストに小坂忠が呼ばれていた。(以上敬称略)

海にはアコースティック系のサウンドがよく似合うー。
前の出番だった、Tequila Circuitもそうだったが、センチももちろん、そのうちの一つだった。
バンドの入れ替えなどの用意で時間がかかるものの、そこはD・Jの選曲で場はつながれていく。
スタンバイが出来、いよいよメンバーの登場。
場内でワーっと歓声があがる。
中野さんのMCでスタート。
「センチメンタル・シティ・ロマンスです。皆、センチ知ってるー? センチを知ってる人ー!」
観客の中ほどから「は〜いっ!」と、まるで学校の先生と生徒みたいなアットホームな返事で盛り上がる。
メンバー紹介が行われ、場所が神奈川県ということもあり、よくその近辺で活動している中野さん、タコ坊さんに歓声の
郡が目立った。

1曲目は「僕らの尊敬しているバンドのカバー。ザ・バーズの曲、”ロックン・ローラー”をやりますっ。」
カウントが入り、演奏が始まる。今回はアコースティック編成というのもあり、CDとはまた違った演奏を聴かせてくれた。
「夏の日の想い出」、「TO THE SEASIDE」と続けてさすがにセンチらしい選曲。
海の傍での演奏は過去にあったが、海岸際での演奏は初めて聴いたー。
「夏の日」は本当に自分にとっての無人島レコード(EP) なだけに嬉しい。
嬉しいのも束の間、少し強風のため、砂やらホコリで個人的にトラブル発生---。
それでも、器用に耳だけは聴いている自分がいた。

センチだが、音的には、カントリーロック的なウエストコースとサウンドから80年代で、がらりとAOR的な音にアルバムの上では変わっている。アルバム「スマイリング」では、その要素が強いが、その時代にプローモーション兼ねて、メンバーそれぞれがサーファーの人たちに売り込んでいたというエピソードが、中野さんの口から懐かしそうに語られていた。80年代初期と言えば、最先端の音楽シーンの情報が、サーファーなどの若者たちの間で、口コミで広がって展開されていたと知ったのは、このライブ終了後帰省してから。
その日出演者でもある南佳孝や、他ではメジャーな山下達郎などは、世間にブレイクする前に、彼らの間ではとても騒がれていたとか。

そしていよいよ中野さんの紹介でゲストの近藤名奈(以下、名奈さん)が登場ー。
その前にPAの調子の不具合もある為か、彼女が歌いだすとすぐに「マイク!」と名奈さんを気遣われる中野さんの
姿があった。その甲斐もあり、名奈さんのマイクだけはしっかりしてて、その声は会場の観客皆を魅了していた。
(セットリストは横浜のくろさんの参照。)
途中MCで、今日何時に起きた? の話に名奈さんとメンバーの間となり、告井さんの気合の入れようには思わず脱帽。
しかし、会場で何をー?(笑)

名奈さんの出番も無事に終わり、退場するとセンチのメンバーに戻り、「マンボ・ジャンボ」が始まる。
「今日、予定ではなかったんですが、急遽一緒にやってくれることになりましたー! ツイストでもご存知の方はいらっしゃるかとは思いますが、神戸出身の松っちゃんです。」とステージの脇から松浦さんの登場。
告井さんは、その前にタコ坊さんの傍のパーカッション隊へ移動。
これで、もし名奈さんがいて、東山さんが登場でもすれれば、NaNaバンドの再現----。(告井さん、タコ坊さんは違うが。)と、思うのも束の間、曲の途中である方がパーカッション隊に乱入。
3人で和気藹々と演奏してるものの、ステージセンターでは、中野さんは後ろで起こっていることも気付かず、思いっきりソロ・ギターを弾いている。
演奏が終わり、ふと振り向けば1名増えているので、驚いて口から思わず発した言葉。
「誰だー? お前は?!」
すぐに誰かは気付いたので、慌てて訂正したものの場内は大爆笑。 そう、ペッカーさんの姿だった。

ラストの曲はアルバム「くつろぎ」より、お馴染みのナンバー。「箱庭の街で」。
この曲では、いつも歌詞をその時の会場名や地名を盛り込んで歌っているが、エンディングではサザンの有名な曲のタイトルも盛り込んで歌ってるご愛嬌姿でステージは無事に終了。

小坂忠氏は……?
今日のステージの冒頭で司会から紹介があった、忠氏はまた後で出てくるとのこと。
センチももう一度共演ということで、再び出演するという形だった。
その間に、ブレッド&バターや、他のバンドのステージが繰り広げられ、いよいよ小坂忠&センチの登場。
さっきとは打って変り、気合の入ったセンチの先の登場があり、すぐに小坂忠氏がステージへと呼ばれる。
時刻も、日が傾きかけていて、日差しが眩しい。
小坂氏は、あの「はっぴいえんど」の前のグループにいた人物だけに、センチの面々と共演するとは、色々な意味で趣のある演奏になった。
懐古趣味な過去ではなく、本当に時間が止まってしまったような錯覚に陥るくらい、現在(いま)がそこにはあった。
 
演奏も無事に終わり、入れ替わって登場したのは、佳孝さんとクアトロロコス。
さっきの不思議な空間は一転して、お祭りムード。
場内は踊るは、踊るはの総立ちの異様な盛り上がり。
さすがに、気力体力もなく少し場を離れたが、サーファーパワーここに在り。

ラストは今日出演の一部のミュージシャン達でセッションで閉めたものの、気付けば日没寸前。
後片付けが始まる頃には、海辺は真っ暗。
誰がどこへ行ったのもわからずじまいとなり、会場を後にした。

また、どこかの会場でのライブを楽しみにして、1日だけのGWは終わった。
嗚呼……。

2002・5 いまむら

(文内、途中でのアーティスト名に一部敬称略させていただいてます。ご了承願います。)
(後、記憶の加減でMCに関しては、少し前後があるかもしれません。)
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